犬好きの女性が犬に殺されてしまうという痛ましい事件がイギリスで起きた。28歳の女性ナターシャ・ジョンソンさんはライドという島で小さい頃から犬と一緒に育ち、犬好きとして友人にも知られていた。
思いやりに溢れ、高齢者介護施設でケアワーカーとして働いていた際も、施設利用者や職場の上司、同僚から信頼を寄せられていた。そして空いた時間には副業としてドッグウォークをし、自分が飼っている犬と友人の犬を複数連れて散歩をするのが日課だった。
ナターシャさんはロンドン南にあるクロイドンに引っ越したあと、ドッグウォークをメインの仕事にするようになった。事件が起きた日、彼女は複数の犬を引き連れて散歩をしていたが、そのうちの何匹かに首を噛まれ、頸静脈損傷による大量出血で命を落とした。
襲われたときに犬の吠える声はなく、ナターシャさんの叫び声だけが道に響いていたそうだ。彼女は逃げようと必死で立ちあがろうとしたが、何本もの犬の散歩ひもが絡まって体に巻きつき動くことができなかった。通りかかった2人の乗馬者によって発見されたが、すでにナターシャさんは瀕死の状態だった。
ナターシャさんを襲ったとされる犬には、大型犬のレオンベルガーも含まれていた。彼女が当時何匹の犬を散歩していたのかは明らかになっていないが、警察は8匹の逃走した犬を捕獲した。それらの犬は捜査のため、今後1年間は警察の施設に拘留されることになっている。
ナターシャさんが散歩していた地域では1度の散歩で連れていい犬の数は6匹までとされており、ナターシャさんは法律に反していた可能性が高い。さらにドッグウォーカーのライセンスを持たずに仕事をしていたのではないかという声もあり、警察はさらなる捜査を続けている。
この事件を受け、その地域の自治体は今後ドッグウォーカーは散歩の際にライセンスを証明するアームバンドの着用を義務付けることを検討しているようだ。
優しく犬が大好きなナターシャさんが犬に襲われて死んでしまったのは非常に悲しいが、引き連れていた犬の数やライセンスを持っていなかったことなどを考慮すると、防ぐことができた事件ではないかと悔やまれる。