
水害は、気象情報を活用して早めに避難を判断できる災害です。
第2回は、ペットと一緒に安全に避難し、その後もできるだけ日常生活を続けるための備えを、「いつ、何をするか」という視点から考えます。
水害からペットを守るカギは、「早めの判断」

水害は、避難するタイミングと、その後の暮らしまで考えて備える災害です。
近年、日本では線状降水帯の発生などにより、毎年のように各地で記録的な大雨が発生し、河川の氾濫や内水氾濫、土砂災害による被害が繰り返されています。
特に梅雨から台風シーズンにかけては警戒が必要で、これまで被害の少なかった地域でも浸水が起こるなど、「うちは大丈夫」という思い込みは通用しなくなっています。
令和8年5月からは新たな防災気象情報の運用が始まり、より早い段階で避難の判断ができるよう見直されました。迷ったときは「まだ大丈夫」ではなく、「早めに避難する」という行動が、自分やペットの命を守ります。
一方、避難所ではペットと一緒に避難する「同行避難」が基本ですが、人と同じ場所で過ごせる「同伴避難」に対応した施設はまだ限られています。
状況によっては、インフラが整う他の市町村への「広域避難」などを検討する場合もあるでしょう。避難先ごとに受け入れルールは異なるため、日頃から自治体の情報を確認しておく必要があります。
また、水害は浸水によって住まいが使えなくなり、避難生活が長期化する場合もあります。
だからこそ、ペットと暮らす家庭では、避難の判断だけでなく、その後もできるだけ日常生活を続けられるよう備えておくことが大切です。
都市部でも油断できない「内水氾濫」という新たな災害

水害は大きな川の近くで起こるものと思われがちですが、川から離れた市街地でも安心とは言えません。
近年は短時間の激しい雨で下水道の処理能力を超えた雨水があふれる「内水氾濫」が各地で発生しています。
足の短い犬や地面に近い場所で暮らす猫は、わずか数センチの浸水でも危険です。浸水でペットが命を落とした事例も報告されています。
特に、地下車庫や半地下の玄関がある住宅では、土のうや止水板などを備えておきましょう。
いつ、何をする?愛犬・愛猫と水害に備えるタイムライン
2026年5月から運用が始まった「防災気象情報」の警戒レベルをベースに、平時から水害後まで、それぞれのタイミングで必要な備えや行動を時系列で整理しました。
チェック欄も活用しながら、「わが家の避難計画」を考えてみましょう。
【STEP 01】平時 普段から
ペットと暮らす家庭がやること
- ハザードマップで浸水リスクを確認する
- 避難先や避難ルートを話し合う
- ペット用品も含め、備蓄品を準備する
- クレートなどに慣らしておく
さらにチェック!
- □ペットと行ける避難先を確認していますか?
- □ペットは予防接種などを受けていますか?
- □ペットに基本的なしつけはできていますか?
【STEP 02】大雨の予報 数日前〜
ペットと暮らす家庭がやること
- 気象情報を確認する
- 持ち出し品をまとめる
- 車の給油を済ませる
- 家族で避難のタイミングを確認する
さらにチェック!
- □持ち出し袋はすぐ持てる場所にありますか?
- □ペットの薬や連絡先がわかるものも一緒にまとめていますか?
【STEP 03】警戒レベル1(早期注意情報)数日〜1日前
ペットと暮らす家庭がやること
- 最新の情報を確認する
- 避難先を再確認する
- 持ち出し品を玄関へ移動する
- ペットをすぐ移動できるようにする
さらにチェック!
- □キャリーやリードはすぐ使えますか?
- □家族全員が避難先を知っていますか?
【STEP 04】警戒レベル2(注意報)半日〜数時間前
ペットと暮らす家庭がやること
- 避難情報を確認する
- ペットの移動準備を整える
- 道路状況を確認する
- 早めの行動を意識する
さらにチェック!
- □「まだ大丈夫」と思っていませんか?
- □いつでも出発できる状態ですか?
【STEP 05】警戒レベル3(警報)数時間〜3時間前
ペットと暮らす家庭がやること
- 高齢者等は避難を始めるレベルです。ペットも一緒に避難を始める目安にする
- 安全なルートで避難する
- 避難先で落ち着けるよう配慮する
さらにチェック!
- □安全な避難ルートを把握していますか?
- □ペットを落ち着いて連れ出せますか?
【STEP 06】警戒レベル4(危険警報)2時間〜0時間前
ペットと暮らす家庭がやること
- 危険な場所から全員必ず避難する
- 避難が難しい場合は建物内の安全な場所へ移動する
さらにチェック!
- □危険な場所に残っていませんか?
【STEP 07】警戒レベル5(特別警報)災害発生
ペットと暮らす家庭がやること
- すでに安全に避難ができない状態です。命を守る行動を最優先にする
- その場でできる最善の安全確保を行う
さらにチェック!
- □命を守る行動を最優先にしていますか?
【STEP 08】水害後 暮らしを取り戻す期間
ペットと暮らす家庭がやること
- ペットの体調を確認する
- 衛生管理を行う
- 生活を少しずつ立て直す
さらにチェック!
- □ペットの様子に変化はありませんか?
- □困ったときの相談先を知っていますか?
ペットは安全な地域に一時避難させる、という選択も

水害の後は、片づけや行政手続きなどに追われ、避難生活が長引くこともあります。
断水時は、ペット用ウエットタオルや消臭剤、ブラシがあるとペットも体を清潔に保ちやすく、感染症対策にも役立ちます。
また、環境省や多くの自治体では、ペットの避難先として、親戚や知人宅、ペットホテルなど複数の場所を事前に考えておくことを勧めています。
状況によっては、ペットを安全な場所へ一時的に預けることも選択肢の一つです。
ノートまとめ
「まだ大丈夫」ではなく「早めに避難」。その判断が、ペットとの日常を守るための大切なカギです。
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