
猫との暮らしでは、愛猫にあった温度や湿度を維持することが大切です。
しかし、請求書が届くたびに「あれ?ちょっと光熱費が高いかな…」と感じる方も多いのではないでしょうか。
特に、暑い夏や寒い冬は、愛猫のためにエアコンをつけっぱなしにするので、どうしてもお金がかかってしまいますよね。
この記事では、猫と暮らすことで増えやすい光熱費の原因をわかりやすく解説します。
愛猫が心地よく暮らせる環境を保ちつつ、お財布に優しい節約術も紹介しているので、ぜひ今日からできることを試してみてください。
猫との暮らしで光熱費は増える?
近年は電気料金が上昇傾向にあります。
経済産業省資源エネルギー庁のデータ(※1)によると、2022年度にはエネルギー価格の高騰により大幅に値上がりし、2010年と比較すると家庭用電灯平均単価は約35%も上昇しています。
猫と暮らす家庭では、ただでさえ電気使用量が増えやすい傾向にあるため、電気料金の値上がりは家計に大きな影響を与えます。
猫との暮らしでは電気代がかかりがち
「こたつで丸くなる」というイメージのある猫は、自分で快適な場所を見つけるのが得意です。
しかし、日本の多湿な夏や底冷えする冬の環境は、猫の体に大きな負担をかけます。
人間であれば自分で体温を調整する工夫ができますが、猫は人間ほど体温調節が得意ではありません。
猫を飼っていないご家庭では、外出中はエアコンを切ることがほとんどでしょう。
暑さにも寒さにもデリケートな猫たちのために、飼い主さんが外出中も室温を快適に保つ必要があるのです。
光熱費も気になるところですが、愛猫の健康と命を守るための必要経費と考えてあげてくださいね。
一般家庭との比較では光熱費が1.3倍になることも
ペットと暮らす家庭は、一般家庭よりも電気代が高くなりがちです。
一般社団法人ペットフード協会が2023年に行った調査(※2)では、猫の飼育に伴う光熱費の追加分として、年間で平均13,819円かかっているというデータも出ています。
これを月額に換算すると約1,150円となり、主に夏場のエアコン代や冬場の暖房器具代が影響していると考えられます。
また、ハチドリソーラー(※3)によると、一般家庭(4人家族)の電気代が月平均15,000円前後なのに対し、猫を飼っている家庭では月20,000円を超えるケースも多いといいます。
これは、エアコンの長時間使用が主な原因です。
※2:家庭どうぶつと家族|一般社団法人ペットフード協会
※3:ペットを飼っている方必見!電気代を削減する方法3選|ハチドリソーラー
猫との暮らしで光熱費が増える一番の原因は「エアコン」
猫と暮らす家で光熱費が増える一番の理由は、やはり電気代です。
その中でも、季節を問わず大活躍するエアコンが、光熱費を押し上げる大きな要因となっています。
日本の過酷な夏は暑さ対策が必須
高温多湿の日本の夏は、猫にとって特に厳しい季節です。
犬のように舌を出してハァハァと呼吸する(パンティング)ことで熱を逃がすこともできますが、その効率は犬ほど高くありません。
そのため、室温が28℃を超えると、熱中症のリスクが格段に高まってしまいます。
留守番中に窓を少し開けておくだけでは、十分な対策にはなりません。
お留守番時には必ずエアコンをつけ、快適な室温(26℃〜28℃くらいが目安)にしておくことが大切です。
体調を壊しやすい冬の寒さ対策も重要
一方、猫は冬の寒さも苦手です。
特に子猫や高齢の猫、持病のある猫は、体が冷えると免疫力が低下し、体調を崩しやすくなってしまうことも。
室温が20℃を下回るような日は、低体温症のリスクも出てきます。
冬場も留守番中はエアコンをつけっぱなしにしたり、猫用のこたつやホットカーペットなどの暖房器具を併用したりするので、どうしても電気代がかさみがちです。
水道代や加湿器なども増加要因に
電気代のほかに、水道代も少し増える傾向にあります。
愛猫のシャンプーで使用する水やガス、トイレのお掃除や猫アイテムのお洗濯にも水が使われるためです。
また、暖房器具以外にも、猫の生活の質を高めるための家電(空気清浄機、加湿器など)を導入することも、光熱費が上がる一因となります。
しかし、これらの機器はエアコンほど大きな電力を使わないため、光熱費への影響は限定的といえるでしょう。
【季節別】猫と暮らす光熱費の目安をシミュレーション
猫と暮らすことで、実際に光熱費がどれくらい増えるのか、具体的な数字で見ていきましょう。
夏の光熱費
夏はエアコンがフル稼働するため、猫を飼っている家庭と飼っていない家庭で最も光熱費に差が出ます。
猫の快適温度である21〜28℃を保つために、エアコンを24時間つけっぱなしにしている飼い主さんも多いことでしょう。
空調機器メーカーのダイキンによると、冷房1時間あたりの電気代の目安は15.5円とされています。
これをもとに、猫と室内で暮らすにあたって、熱中症を防ぐために24時間エアコンを使用する場合を想定して計算してみましょう。
1時間あたりの電気代が約15.5円なので、1日にかかる電気代は「約15.5円 × 24時間 = 約372円」となります。
これを1ヶ月間(30日)続けると、エアコン1台にかかる電気代は「約372円 × 30日 = 約11,160円」です。
日中は仕事に出かけている場合、エアコンの稼働時間は約13.5時間というデータもあります。
この場合の1ヶ月の電気代は「約5,022円」と計算できるので、24時間稼働する場合と比較するとその差は「11,160円 - 5,022円 = 6,138円」です。
つまり、一般的な家庭と比べて、猫と暮らす家庭ではエアコン代だけで毎月6,000円以上多くかかる計算になります。
エアコン(冷房)と扇風機の電気代を比較すると、以下の表のようになります。
暖房器具 | 1時間あたりの電気代 | 1日24時間使用した場合 | 1ヶ月の電気代 |
---|---|---|---|
エアコン(冷房) | 約15.5円 | 約372円 | 約11,160円 |
扇風機 | 約0.62円 | 約15円 | 約450円 |
扇風機の方が断然、電気代が安いことが分かりますが、暑さの厳しい時期にはエアコンと併用しながら、快適な室温を保つようにしましょう。
冬の光熱費
冬も猫の寒さ対策で光熱費が増えます。
暖房器具の種類によって、電気代は大きく変わってきます。
それぞれの電気代を比較してみましょう。
暖房器具 | 1時間あたりの電気代 | 1日8時間使用した場合 | 1ヶ月の電気代 |
---|---|---|---|
エアコン(暖房) | 約10〜30円 | 約80〜240円 | 約2,400〜7,200円 |
猫用こたつ | 約0.5〜1円 | 約4〜8円 | 約120〜240円 |
ホットカーペット | 約2〜5円 | 約16〜40円 | 約480〜1,200円 |
※電気代は製品や契約している電力会社によって異なります。
猫を飼っているご家庭では、エアコンをつけっぱなしにするだけでなく、猫用のこたつやホットカーペットを置くことも多いですよね。
これらの暖房器具は電気代が比較的安いため、部屋全体を暖めるエアコンと併用することで、部分的に猫が快適に過ごせる場所を作ることができます。
春・秋の光熱費
過ごしやすい春や秋は、エアコンを使わない日が多く、光熱費は比較的安く済みます。
しかし、猫を飼っていると、日中の寒暖差が激しい日など、一般的な家庭と比べてエアコンをつける日が多くなりがちです。
自動給水器などの猫用家電の稼働により、猫を飼っていないご家庭よりは電気代が高くなる傾向があります。
猫との暮らしで賢く光熱費を節約する方法【夏】
猫の快適さを守りながら光熱費を節約するには、ちょっとした工夫が必要です。
ここでは、今日からすぐに始められる具体的な方法を詳しくご紹介します。
エアコンの設定温度を見直す
エアコンは、夏は26〜28℃、冬は20〜22℃に設定すると、猫にとってちょうど良い室温が維持できるとされています。
これ以上冷やしすぎたり暖めすぎたりすると、電気代が無駄にかかるだけでなく、愛猫の体にも負担をかけてしまいます。
最適な温度に設定できているか、見直してみましょう。
また、省エネ性能の製品を選ぶのもおすすめです。
扇風機やサーキュレーターを一緒に使う
エアコンの冷たい空気は下に、暖かい空気は上に溜まりやすい性質があります。
そこで、扇風機やサーキュレーターを使って部屋の空気をぐるぐる循環させ、部屋全体の温度を均一にする方法が有効です。
エアコンの設定温度を少し変えても快適な空間を保つことができ、約20%の節電につながるといわれています。
フィルターをこまめに掃除する
エアコンのフィルターにホコリが溜まると、風量が落ちて余計な電力が消費されてしまいます。
2週間に一度フィルターを掃除するだけでも運転効率が上がり、節電になりますよ。
年に一度は、エアコンクリーニング業者に依頼することも検討してみましょう。
電力会社や料金プランを見直す
近年はさまざまな電力会社があり、ライフスタイルに合わせた料金プランが豊富です。
ご家庭の電力使用状況に合ったプランに切り替えることで、電気代を削減できる可能性があります。
特に、昼間もエアコンをつけっぱなしにする必要があるご家庭は、昼間の電気代が安くなるプランを選ぶと大きな節約につながるでしょう。
猫との暮らしで賢く光熱費を節約する方法【冬】
冬場は愛猫を寒さから守るためにエアコンやヒーターが活躍しますが、少しの工夫が光熱費の節約につながります。
太陽光を最大限に活用する
日中の暖かい日差しは、猫にとって最高の暖房です。
日差しが降り注ぐ位置にキャットタワーやふかふかのベッドを置いてあげるなど、暖かい場所に誘導してみましょう。
冬場は特に、この工夫だけで暖房器具を使う時間を減らせる場合があります。
ただし、夏は窓際が熱くなりすぎる場合もあるので、日差しが強すぎないか確認してあげましょう。
部屋の断熱対策を行う
断熱性能を高めることで、冷暖房の使用頻度を減らすことにつながり、光熱費を抑えられます。
例えば、窓・壁・床・天井の断熱や気密性を高めることが効果的です。
特に、窓からは冷たい空気が入りやすいため、断熱性能の高い窓への交換や内窓の設置、断熱シートの利用などを検討してみましょう。
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窓からの冷気を遮る
窓ガラスは、夏は外の熱気を、冬は室内の暖気を最も伝えやすい場所です。
断熱性能の高い窓に交換するのが最も効果的ですが、ホームセンターなどで手軽に購入できる断熱シートを貼るだけでも、熱の出入りを防げます。
愛猫が窓の外を眺めるのを邪魔しない、透明なタイプもおすすめです。
また、冬は厚手のカーテンを閉めることで、窓からの冷たい空気をシャットアウトできます。
節電に効果的なおすすめ猫用グッズ
猫の暑さ・寒さ対策には、電気を使わない、あるいは電気代が安いグッズを上手に活用するのもおすすめです。
夏:ひんやりマットやアルミプレート
電気を使わずにひんやり感を保てる、アルミプレートやジェルマットは夏の暑さ対策にぴったりです。
エアコンと併用することで、猫が涼しい場所でくつろぎ、エアコンの設定温度を少し上げても快適に過ごせます。
冬:湯たんぽやブランケット
電気を使わない湯たんぽは、猫が温まるのに最適です。
低温やけどに注意して、タオルで包んであげましょう。
また、フリースやマイクロファイバーなどのブランケットをベッドやキャットタワーに敷いてあげると、猫は自分の体温で暖かく過ごせます。
猫との快適な暮らしと節約の両立を目指そう
猫と暮らすことによる光熱費の増加は避けられない部分もありますが、それは愛猫が健康で快適に過ごすための大切な必要経費です。
この視点を忘れずに、今回ご紹介した工夫を実践することで、その負担を減らすことができるでしょう。
エアコンの使い方を見直したり、お部屋の断熱対策をしたり、節電グッズを上手に活用したりして、電気代を賢く節約してみてください。
愛猫との毎日が、もっと豊かで楽しいものになるはずです。

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