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夏場に猫を留守番させるときの注意点|エアコンの最適温度と熱中症対策


年々夏の暑さが厳しくなる昨今。

立秋を過ぎ、暦の上では秋を迎えていますが、まだまだ暑い日が続きます。

仕事や旅行などで家を空け、猫だけで留守番をさせるときに心配なのが「熱中症」ですよね。

飼い主さんが不在でも、愛猫が家の中で快適に過ごせるようにエアコンを上手に活用しましょう。

本記事では、厳しい残暑の中で猫を留守番させるときに注意したいポイントや、エアコンの設定温度、エアコン以外の暑さ対策などについて解説していきます。

猫が快適に過ごせる室温は?

猫を留守番させる際の室温設定についてご紹介します。

適正温度は21~28℃

年間を通じて、猫にとっての最適な室温は21~28℃といわれており、人が快適に感じる温度よりも若干高めです。

寒さが苦手な猫は、21℃未満の室温だと体調不良になる恐れがあります。暑い日でも部屋を冷やしすぎないように調整しましょう。

留守番中のエアコン(クーラー)の設定温度は28℃が目安

猫だけで留守番させるときのエアコンの設定温度は、28℃を目安にしましょう。

猫にとって快適と感じられる温度が(季節や状況によりますが)仮に26℃であっても、室内の空気がうまく循環されないと、設定温度よりも室温が下がる可能性があるためです。

その理由は、空気の性質にあります。

暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ流れる性質があるため、エアコン(クーラー)で冷やされた空気が下に滞留し、床に寝そべっている猫が冷えすぎてしまう恐れがあるのです。

飼い主さんの在宅中は、サーキュレーターなどを稼働して、部屋の空気を循環させる対策がとれますが、猫だけで留守番している間のサーキュレーターや扇風機の使用は危険です。
(詳しくは後述します)

留守番中のエアコンの温度設定は少し高めにして、猫が自分で快適な場所を探せるような工夫をしてあげましょう。

温度だけでなく湿度も重要

熱中症を防ぐためには、室温だけでなく湿度にも気を配る必要があります。

猫に適した湿度は、40~60%といわれています。

砂漠地域に生息していた猫は、乾燥した暑さには強い反面、高温多湿の環境は苦手です。

室内が適温であっても、湿度が高いと熱中症を引き起こすリスクが高まります。

梅雨などの湿度が高いときは、エアコンの除湿運転をうまく活用することが重要です。

留守番中のエアコンはつけっぱなしにしておく

夏場の留守番では、エアコンはつけっぱなしにして、猫が過ごしやすい環境を整えてあげましょう。

電気代が気になる場合は「スマートリモコン」の導入がおすすめ。

外出していても、スマホの専用アプリから自宅のエアコンを遠隔操作できる優れモノです。

画像引用:Amazon.co.jp: Nature Remo 3

自宅の室温や湿度の確認や、遠隔によるエアコンの電源のON/OFFができるだけでなく「温度・湿度」などの条件をあらかじめ設定しておけば、
エアコンの自動操作が可能です。

エアコンを稼働する必要がない(朝や夕方など比較的涼しい)時間帯の電気代の節約につながります。

たとえば「室温28℃でエアコンをON」と設定すれば、万が一エアコンを稼働し忘れても自動で運転してくれるため、安心して猫を留守番させられますね。

夏場の留守番で押さえておきたい5つの安全対策


暑い日に猫だけで留守番させておくときには、次の5つの安全対策をしておきましょう。

安全対策①:新鮮な水を用意しておく

熱中症対策のために、水分補給が必要なのは人も猫も一緒です。

常に新鮮な水が飲めるよう、家の中の複数箇所に水飲み場を設置しましょう。

自動給水器の導入もおすすめです。

ろ過装置(フィルター)により、猫の毛や食べ残し、ホコリなどの不純物を取り除きながら循環するものです。

普通の器に比べて、お手入れの手間がかかるのがデメリットですが、コードレスタイプの自動給水器であれば比較的簡単に洗えます。

コードレスの自動給水器については、下記の記事で詳しく解説しています。
猫の自動給水器|循環式のメリット・デメリット!お手入れしやすいコードレスポンプがおすすめ

安全対策②:扇風機はつけっぱなしにしない

室内の空気を循環させるために、扇風機の使用は効果的ですが、猫だけで留守番させるときには扇風機の電源はOFFにしておきましょう。

クルクルと回る扇風機は、猫の好奇心を刺激します。

じっと見つめるだけなら良いのですが、なかには手を出してしまう猫もいるでしょう。

扇風機の中に手や足を入れてしまったり、コンセントを噛んだりコードに引っ掛かったり、扇風機が転倒したりして、ケガをしてしまう危険があります。

飼い主さんの目が届かない留守番中に、扇風機を稼働させるのはやめましょう。
また、閉め切った室内でエアコンをつけずに扇風機だけ回すやり方は、猛暑における暑さ対策としては不十分です。最悪の場合、熱中症になる危険があります。

特に猫は、全身が被毛で覆われていて汗腺もないため、扇風機で風を当てても涼しさを感じられません。

留守番中の暑さ対策は、エアコンが最も効果的です。

安全対策③:トイレなどに閉じ込められないようにする

季節関係なく、猫の留守番中に注意したいのが「閉じ込め」です。

猛暑日にトイレなどの密室に長時間閉じ込められれば、命の危険にさらされることは想像に難くありません。

扉を閉めるときに、猫が中に入り込んでしまっていないか十分に確認してから出かけましょう。

安全対策④:自由に部屋を行き来できるようにする

猫の留守番中は、自由に家の中を動き回れるように、入ってほしくない部屋以外の出入口は開けておきましょう。

エアコンによる人工的な冷たさが苦手な猫は多いため、せっかくエアコンをつけていてもその部屋で過ごす時間は少ないかもしれません。

我が家の猫も、日中リビングでエアコンをつけていても、廊下や2階の暑そうな部屋で過ごす時間の方が長いです。

だからといってエアコンを稼働せずに留守番させるのは危険です。エアコンを稼働している部屋(たとえばリビング)のドアを開けておけば、猫が涼みたいタイミングで出入りできます。

高気密・高断熱住宅ならば、エアコンを稼働している部屋の出入口を開放しておくことで、他の部屋も冷やしてくれるでしょう。

安全対策⑤:窓を開けっ放しにしない

窓を開けて家の中の風通しを良くするのは大切なことですが、猫を留守番させる際に窓を開けっ放しにして出かけるのはやめましょう。

防犯面でのリスクだけでなく、猫が脱走してしまう恐れがあるためです。

また、猛暑日に長時間窓を開けておくのは、暑さ対策としてはNGです。

外の熱気が入り込んでしまい、室内の空調効率が下がります。

エアコン(クーラー)を使用するときの注意点

エアコンを使用する際は、猫が安全に過ごせるように、次の2つの注意点を押さえておきましょう。

注意点①:猫の体にエアコンの冷風が当たらない工夫をする


画像引用:Amazon.co.jp: Tivcyi エアコン風よけカバー

エアコンの冷風を嫌がる猫は多いです。

特にワンルームだと猫の逃げ場がなく、風が直接猫の体に当たって体調不良の原因になってしまいます。

そこでおすすめなのが「風除けカバー」です。

猫だけでなく、飼い主さんもエアコンの風が体に当たる不快感を軽減できます。

冷房時は上向きに設置すれば、天井付近に溜まりがちな暖かい空気を冷やせますし、暖房時は下向きに設置することで床の冷たい空気を暖めてくれます。

季節によって使い分けましょう。

風除けカバー以外にも、ドーム型(箱型)の猫ハウスを用意したり、キャットタワーの位置を変えたりといった工夫で、風が直接当たらない対策がとれます。

注意点②:猫がエアコンに乗らないようにする

高いところが好きな猫は、足場が確保されている環境であれば、エアコンの上に乗ってしまう可能性があり危険です。

猫がエアコンの上に乗ると、本体カバーが外れて落下してしまったり、エアコンの電源コードが抜けたり、プラグに被毛が溜まってトラッキング現象(※)を引き起こしたりするリスクがあります。

エアコンの近くにキャットタワーやキャットステップなどを設置するのは避けましょう。

カーテンレールを伝ってエアコンに乗ってしまうケースもあるため、家具などの配置には注意が必要です。

(※)トラッキング現象とは、コンセントとプラグの隙間に溜まったホコリが空気中の湿気を吸収して電気を通しやすくなり、プラグの両極間での火花放電を引き起こし、発火する現象をいいます。

エアコンの稼働以外にできる暑さ対策3選

エアコンとの併用におすすめな、猫の暑さ対策を3つご紹介します。

①冷感グッズを取り入れる


画像引用:ニトリ

一番手軽に取り入れられる方法が、冷感グッズの設置です。

エアコンの風が苦手な猫は、玄関の三和土(たたき)など、冷たい場所を探して暑さをしのぐのが上手です。

冷感グッズで、涼をとれる環境をつくってあげましょう。

布製やアルミ素材、大理石などさまざまなアイテムがあるため、猫の好みに合わせて選んでみてください。

複数箇所に置いてあげれば、猫の気分で使い分けられるでしょう。

②日除けシェードを設置する


画像引用:Candor(R)公式 日よけ シェード

部屋の冷房を効率よく稼働させるために、日除けシェードがおすすめです。

日除けシェードは、直射日光や紫外線を遮ってくれる効果があり、日中の室温の上昇を抑えてくれます。

③断熱性の高い窓にリフォームする

家の中で熱の出入りが最も多い場所が「窓」です。

夏の冷房稼働時に、窓(開口部)から外の熱気が入ってくる割合は約7割に上ります。

適度な室温を維持するためには、窓の断熱化が最も効果的。

複層ガラスや二重サッシ(内窓)など、断熱性の高い窓へのリフォームは一番効果が期待できる対策です。

上記でご紹介した日除けシェードと併用すれば、さらに遮熱・断熱効果が増すでしょう。

<参照>省エネルギー建材普及促進センター | 【Q&A】開口部からの熱の出入りは、どの位あるのですか?

窓の断熱リフォームについては、下記の記事でもご紹介しています。
【一級建築士監修】夏の暑さからペットを守るおすすめの建材・設備は?

まとめ:エアコンとアイテムとの併用で、快適に留守番できる環境を整えよう!

夏場や残暑の中で、猫を留守番させる時のエアコンの使い方についてご紹介しました。

猫はエアコンの冷風が苦手なので、わざわざ暑い場所を選んで過ごしているように見えますが、決して日本の高温多湿な環境に強いというわけではありません。

我が家の猫も(せっかく1階で冷房を稼働しているにもかかわらず)暑い2階で伸びていることも多いです。

見かねて冷感グッズを置いてあげると、そこで涼むようになりました。

猫が熱中症にならないように、今回ご紹介したアイテムを取り入れ、エアコンと併用してみてくださいね!



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