夏の日差しは私たちだけでなく、愛犬にとっても厳しいもの。
暑い日が続くと、愛犬をお散歩に連れて行くことをためらってしまいますよね。
お散歩は愛犬の健康を保つ大切な時間ですが、暑さは予想以上の危険をはらんでいます。
そんな中でも、愛犬との散歩を安全で快適なものにするための工夫はたくさんあります。
この記事では、夏の暑さに負けないためのお散歩のコツや、愛犬の体を涼しく保つためのアイテムをご紹介します。
愛犬との時間をもっと楽しく、もっと安全にするために、一緒に暑さ対策を学びましょう。
夏でも愛犬のお散歩は必要?
愛犬をお散歩に連れて行くことは、夏場であっても基本的には必要です。
愛犬とのお散歩は、運動以上のものと言えるでしょう。
毎日のお散歩は、運動不足の解消・ストレスの軽減・社会性の向上に役立ち、飼い主さんとの絆を深める大切な時間でもあります。
まず、お散歩は愛犬の体重管理に役立ちます。
適度な運動は肥満を防ぎ、関節や筋肉の健康を保つことにもつながるのです。
お散歩は犬の日常生活の一部であり、夏であってもその重要性は変わりません。
犬の体調や天候に合わせてお散歩の時間や距離を調整することで、愛犬との健康的な生活を維持することができます。
ただし、犬の安全と快適さを最優先に考えることが大切です。
嫌がっている場合は無理に連れていかず、お家でできる遊びを取り入れましょう。
暑い日のお散歩に潜む愛犬への危険とは?
夏場でも愛犬のお散歩は基本的に必要ですが、十分な暑さ対策を行わない場合、以下のようなリスクが高まる可能性があります。
熱中症
暑い日に愛犬を散歩に連れて行くと、熱中症になるリスクがあります。
犬は人間と違って汗腺が少なく、主にハァハァという口呼吸で体温を調節しています。
そのため、高温多湿の環境では体温が上昇しやすく、熱中症になりやすいのです。
犬が熱中症になると、以下のような症状が見られることがあるとされています。
・呼吸が荒くなる
・大量のよだれ
・ぐったりして動けなくなる
・意識がなくなる
・高体温(40℃以上)
・けいれんや意識障害
特に、短頭種の犬(例えばフレンチ・ブルドッグやパグなど)は、体温調節が苦手なため、熱中症のリスクが高いとされています。
もし愛犬が熱中症の症状を示した場合は、すぐに涼しい場所に移動させ、体を冷やし、動物病院に連絡することが重要です。
熱中症は進行が早く、命に関わる危険性があるため、早急な対応が必要です。
安全のためにも、夏場のお散歩は十分な暑さ対策をし、慎重に行いましょう。
肉球のやけど
暑い日に愛犬を散歩に連れて行くと、肉球にやけどするリスクがあります。
特に、夏場は地面の温度が非常に高くなることがあり、アスファルトの表面温度は60度に達することもあるため、犬の肉球が火傷する可能性が高まります。
肉球がやけどをすると、赤みや水ぶくれが見られたり、表面が剥けてしまったりすることがあります。
また、歩くのを嫌がったり、肉球を舐めたり噛んだりする場合は、痛みを感じている可能性が高いでしょう。
肉球は体温調節を行う器官なので、治療がしにくい場所でもあります。
そのため、愛犬に靴を履かせたり、散歩時間や歩かせる場所の工夫をしたりするなど、火傷の予防が非常に重要です。
夏のお散歩前に気をつけたい注意点
夏のお散歩は、愛犬の健康や快適さを脅かすリスクがあります。
そのため、暑さが厳しい日には、愛犬を散歩に連れて行く前に、以下4つのポイントに注意しましょう。
特に暑い時間帯は避けよう
夏の炎天下でのお散歩は愛犬にとって危険が伴います。
特に、午前10時から午後4時までの時間帯は、日差しが最も強く、地面の温度も高くなりがちです。
この時間帯の散歩は、熱中症や肉球の火傷など、愛犬の健康を脅かすリスクが高まります。
しかし、お散歩の時間帯を急に変更すると、愛犬にとってストレスの原因となることも。
そのため、暑さが本格的になる前から、徐々にお散歩の時間を早朝や夕方にシフトさせることが重要です。
例えば、春先から少しずつお散歩の時間を早めることで、愛犬は新しいルーティンに慣れ、ストレスなく夏を迎えられるでしょう。
外気温が28℃を超えたらお散歩は控えよう
犬は地面に近い位置で歩くため、地面からの照り返しや熱で、人間よりも高い温度を感じることがあります。
特に、アスファルトは太陽の熱を吸収しやすく、愛犬の肉球にやけどを負わせる原因になり得ます。
そのため、散歩時には外気温を確認する習慣をつけることが大切です。
スマートフォンの天気アプリや温度計を利用して、散歩の安全性を判断することが重要です。
28℃を超える日は、涼しい早朝や夕方に散歩をするか、または室内での遊びに切り替えるなど、愛犬の安全を最優先に考えた行動を取りましょう。
地面の温度を触って確かめよう
夏の日差しは、アスファルトを驚くほど熱くします。
愛犬の散歩前には、素手で地面を触ることで、その熱さを確認しましょう。
手のひらを数十秒間アスファルトに当ててみて、熱く感じるようであれば、それは愛犬にとっても同じです。
もし地面が熱いと感じたら、できるだけアスファルト以外の道を選ぶことが大切です。
芝生や土の道など、肉球に優しい選択肢を探しましょう。
愛犬が嫌がっているサインを見落とさない
愛犬が外に出たがらない、または外に出ても歩きたがらない場合は、無理に連れ出さず、その日のお散歩を中止することが大切です。
愛犬の行動をよく観察し、嫌がる様子を見せたら、無理にお散歩に連れ出さないようにしましょう。
ストレス解消のためのお散歩が、かえって愛犬にストレスを与えかねません。
犬は言葉で不快感を伝えることができないため、行動で示すサインを見逃さないように心がけてください。
暑い日のお散歩中に工夫したいポイント
暑い日には、お散歩中にもいくつかの工夫が必要です。ここでは、お散歩時に取り入れたい5つのポイントをご紹介します。
散歩中に休憩をとる
暑い日のお散歩では、愛犬の体調を考慮してこまめに休憩を取ることが重要です。
お散歩中に愛犬がハァハァと息をする回数が増えたら、それは休憩が必要なサインかもしれません。
日陰で涼む、水分を補給する、そして愛犬の様子を観察する時間を作りましょう。
一般的な目安として、15分から20分ごとに休憩を取ることがおすすめです。
特に、気温が高い日や湿度が高い日は、愛犬が涼む時間をより頻繁に確保するとよいでしょう。
なるべく日陰を選ぶ
日向の路面温度を日陰よりも約20度高くすることがあるとされています。
気温が同じでも、地面からの熱放射により、日向はずっと暑く感じられるのです。
これは愛犬にとっても同様で、特に肉球は地面の熱に敏感であるため、暑い日の散歩は日陰で行うことが重要です。
お散歩コースは、木々が生い茂る公園の道や建物によって作られる影を利用できると理想的です。
また、日陰が少ない場所では、お散歩の時間を涼しい早朝や夕方に調整することも有効です。
行き帰りにカートを活用する
暑い日のお散歩では、愛犬の体力を温存し、熱中症や肉球の火傷から守るために、カートの活用がおすすめです。
特に、小型犬や高齢の犬、短頭種の犬など、暑さに弱い犬種にとって、カートは散歩中の安全な避難所となります。
公園までの行き帰りなどにカートを使うことで、愛犬は直射日光や熱い地面から遠ざかり、涼しい環境で移動できます。
また、散歩中に疲れたら、カートで一休みすることも可能です。
カートには水や冷却グッズを入れておくと、いつでも愛犬を快適に保つことができます。
こまめな水分補給を心がける
脱水症状は熱中症のリスクを高めるため、暑い日のお散歩では愛犬の水分補給が非常に重要です。
公園の水道などを利用しても良いですが、愛犬用の給水器を持ち歩くことがおすすめです。
また、お散歩の途中で、愛犬が喉を潤すための休憩を取りましょう。
特に、走って遊んだ後や日差しが強い中を歩いた後は、水分補給を忘れずに。
愛犬が水を飲むことを嫌がる場合は、水分を含んだおやつや、水を飲むことを促すおもちゃを使うことも一つの方法です。
クールグッズを活用しよう
夏の暑さ対策として、愛犬用のクールグッズが有効です。
クールウェア・ネックリング・冷却バンダナなどさまざまなアイテムがあり、お散歩中に活用することで熱中症を防ぐことにもつながります。
クールグッズは愛犬の体温を適度に保つのに役立ちますが、使い方には注意が必要です。
冷やし過ぎに注意し、愛犬が寒がっていないか、不快に感じていないかを常にチェックしましょう。
使用する前には、商品の説明をよく読み、指示に従ってください。
お散歩での暑さ対策におすすめアイテム
ここからは、夏のお散歩の暑さ対策としておすすめのアイテムをご紹介します。お散歩中に取り入れられるグッズなど、以下のアイテムを活用してみてください。
給水ボトル
「ポータブル ウォーター ボトル リーフ」はお散歩にも最適な、持ち運びできるシリコン製の給水器です。
市販の500mlペットボトルに取り付けて使用するタイプで、汚れてもすぐに交換が可能です。
クールウェア
「超COOL お散歩ベスト」は、気化熱冷却と接触冷感(無地生地部分)のダブルでひんやり効果を得られるベストです。
水につけるだけで手軽にクールダウンでき、地面の反射熱からも守ってくれるため、お散歩にぴったりのアイテムでしょう。
クールアイテム
愛犬の首元をじんわり冷やしてくれる「冷やリング」もおすすめです。
室温28度以下で自然に固まりますが、急ぐ場合は、冷蔵庫や冷凍庫、冷水で冷やして首にかけるだけで、涼しく過ごせます。
植物由来なので、万が一、愛犬が噛んでしまっても安心です。
肉球を保護するアイテム(ドッグスニーカー、肉球クリーム)
アスファルトの熱から愛犬の肉球を守るためには「タビ型犬の靴 いぬたび」がおすすめです。
忍者の足袋(タビ)のように、柔らかく靴下のような履き心地で、愛犬の肉球を優しく包み込みます。
散歩後のケアにも気をつけよう
暑い日のお散歩から帰ってきた後には、愛犬のクールダウンや体調チェックを行いましょう。
お散歩前、お散歩中の工夫に加え、お散歩後のケアもルーティーンとして取り入れることで、愛犬を夏の厳しい暑さから守れます。
クールダウンの方法
暑い日のお散歩から帰宅した後、愛犬をクールダウンさせるためにはいくつかの方法があります。
愛犬の好みや性格に合わせて、以下の方法を試してみましょう。
・エアコンや扇風機を使用する:室内の温度を適切に保ち、風通しを良くしてあげましょう。
・水浴び:水が好きな犬であれば、水浴びをさせてあげることで体を冷やせます。
・冷却グッズやペットボトル:寝る場所に冷却マットを敷いたり、凍らせたペットボトルをタオルで包んで置いてあげると良いでしょう。
・冷たい食べ物:犬用のアイスや氷を与えることで、体の中からクールダウンできます。
これらの方法を組み合わせて使うことで、愛犬が暑さから回復しやすくなります。
特に暑い日は、熱中症に注意し、愛犬が快適に過ごせるように気を配りましょう。
体調のチェック
犬は汗をかくことができないため、体温調節が難しく、熱中症になりやすいです。
暑い日の散歩後には、以下の点に注意し、愛犬の体調をチェックしてあげましょう。
・呼吸の確認:呼吸が速い、または苦しそうな場合は、熱中症のサインかもしれません。
・体温の測定:耳や肛門から測る体温計を使用して、体温をチェックしましょう。犬の正常な体温は約38.5℃ですが、暑い日は少し高めでも正常です。体温が40℃を超えると、熱中症の危険があり、緊急の対応が必要です。
・脱水症状のチェック:「口の中が乾いていないか」、「唾液が粘り気を帯びていないか」を確認します。また、皮膚を軽くつまんで離した時に、すぐに元に戻らない場合は脱水症状の可能性があります。
・足の裏のチェック:足の裏を触って、熱くなっていないか確認してください。アスファルトなどの熱い地面を歩くと、足の裏がやけどをすることもあります。
これらのチェックを行うことで、愛犬が暑さによるストレスや熱中症を防ぐ手助けになります。
何か異常を感じたら、すぐに涼しい場所に移動させ、必要に応じて獣医師の診察を受けましょう。
夏の暑さから愛犬を守ろう
お散歩は愛犬にとって楽しい時間ですが、夏の暑さは大きなリスクをもたらします。
愛犬の健康を守るためには、早朝や夕方など涼しい時間帯を選び、地面の温度に注意しながら散歩をしましょう。
水分補給はこまめに行い、長時間の直射日光は避けてください。
また、クールウェアや冷たいアイテムなど、暑さ対策グッズを活用することも大切です。
愛犬が快適に過ごせるよう、日々のケアを心がけて、夏の暑さに負けない工夫をしましょう。
愛犬との安全で楽しい夏を過ごすために、飼い主さんの優しい配慮が何よりも重要です。