愛犬が外でしかトイレをしないことで困っていませんか?
散歩も複数回行く必要がありますし、悪天候で散歩に行けない時などは、「おしっこを我慢させてしまうのではないか」と心配してしまいますよね。
トイレの場所にこだわりを持つ犬も多く、家の中でトイレをしないケースも少なくありません。
この記事では、愛犬が外でしかトイレをしない理由やデメリット、そして自宅でトイレしてもらう方法を詳しく解説していきます。
犬が外でしかトイレをしない理由
犬が外でしかトイレをしない理由について、4つの要素が関係しています。
ここでは、それぞれの理由について具体的に見ていきましょう。
お散歩ルートでのマーキングや習慣
犬は自らのニオイを残すことで、自分のテリトリーを主張します。
お散歩中に周囲のニオイを嗅ぎ、他の犬の存在を感じると、それに対抗するために自分のニオイを残すことがあります。
外でトイレをすることで、他の犬に自分の存在をアピールできるのです。
また、犬は習慣的な行動を好みますので、お散歩中にトイレをすることが自然と習慣化している場合もあります。
特に、お散歩の時間がいつも決まっている場合や、毎日同じルートを通っている場合などは習慣化しやすく、「お散歩=トイレの時間」と認識していることも考えられます。
自由奔放な散歩
外でしかトイレをしない理由には、自由奔放な散歩も関係しています。
犬は本来、土の上や草むらで排泄する習性を持っています。
外での排泄は自然な行動であり、彼らにとっての当たり前なことなのです。
また、飼い主さん主体ではなく、愛犬主体の散歩になっていると、道のあちこちのニオイを自由に嗅ぎまわり、他の犬のマーキングなどによって排泄が誘発されることもあります。
家の中でトイレをしてもらうには、愛犬を自由に歩かせてあげたいという気持ちを抑え、飼い主さんより後ろを歩かせるようにするなど、お散歩をリードしてあげることも大切です。
寝床とトイレの距離が近い
自分の寝床で排泄を避けるため、寝床とトイレが近いと、愛犬にストレスを与える可能性があります。
その理由は、野生時代の穴倉を寝床にしていた習性にあります。
寝床のそばで排泄をすると、ニオイで外的に自分の居場所が知られてしまうため、寝床とは遠く離れた場所で排泄をしていたのです。
そのため、トイレと寝床の距離が近いと、排泄を避ける傾向があります。
室内トイレでの失敗経験
犬は、飼い主から怒られると、その行動が好ましくないものであると学習します。
そのため、室内で粗相をした際に叱られたり怒られたりすると「室内でトイレすることそのものがいけないことだ」と誤認してしまうことがあるのです。
室内トイレ自体が悪いことだと思い込んでしまうと、犬は室内でのトイレを避け、外でしかしないようになります。
家でトイレをしない場合のデメリット
家でトイレをしないことは、愛犬の健康や日常生活にさまざまなデメリットをもたらす可能性があります。それでは、具体的なデメリットを見ていきましょう。
1日に3回以上の散歩が必要
愛犬が家でトイレをしない場合、適切な回数の排泄を促すためには、1日に3回以上の散歩が必要となります。
これは、忙しい飼い主さんにとっては大きな負担となるでしょう。
また、天候や体調不良などの理由で散歩に出られない日もあるかもしれません。
そのような時、愛犬はトイレを我慢せざるを得なくなり、ストレスや健康問題を引き起こす原因となります。
トイレを我慢させてしまうリスクがある
家でトイレをしない状態が続くと、散歩の時間まで我慢することが多くなります。
天候が悪い日や、飼い主さんの病気やケガなどでお散歩の回数が減ったり、連れて行けない日があったりすると、愛犬はトイレのタイミングを失ってしまうでしょう。
排泄を我慢させすぎると、尿路感染症や膀胱炎などのリスクが高まります。
また、長時間の我慢は犬にとって大きなストレスとなり、行動問題の原因にもなりかねません。
排泄物の変化に気付きにくい
アスファルトや草むらでしかトイレをしない場合、排泄物の色やニオイ、量の変化に気付きにくくなるでしょう。
これらの変化は、病気のサインとなることも多いため、早期発見・早期治療の妨げになる可能性があるのです。
愛犬の健康状態を把握するためには、トイレシートなどで排泄してもらうことが理想的であると言えます。
ペットホテル利用時のトイレ問題
旅行や出張、飼い主さんの入院などでペットホテルを利用することもあるかもしれません。
しかし、ペットホテルではお散歩の回数が限られている場合が多く、いつもと同じ時間帯で外に連れて行ってもらえるとは限りません。
トイレのタイミングが合わないことがストレスになることもあります。
また、お散歩時に決まった場所でトイレをすることが習慣となっている場合、お散歩コースが変わってしまうことで、排泄をためらってしまうこともあるでしょう。
一方、ペットシーツでのトイレ習慣がある犬は、場所が変わってもシーツの上で排泄をしてくれやすいです。
愛犬が他の環境でも安心して過ごせるよう、ペットホテル利用時のトイレ問題を想定しておくことが大切です。
シニア犬になったらタイミングがより難しくなる
人間と同じように、犬も年齢を重ねると、排泄のコントロールが難しくなることがあります。
また、シニア犬になると、より頻繁にトイレに行きたくなることが多いため、家でトイレをしない習慣があると、お散歩のタイミングを合わせるのが一層困難になります。
老犬期に備えて、若いうちから家でのトイレ習慣を身につけさせることが望ましいでしょう。
トイレを我慢させすぎるとどうなる?
一般的に、成犬であれば12時間程度は我慢できるとされています。
しかし、これはあくまで一般的な目安で、年齢や体調、体質、食べたものや飲んだもの、服用している薬などによって、我慢できる時間は大きく異なります。
また、長時間の我慢が日常的に続くと、犬の健康に悪影響を及ぼしかねません。
特に泌尿器系の病気や腎臓病のリスクが高まるため、注意が必要です。
膀胱炎
人間と同じように、犬もトイレを我慢しすぎると、膀胱炎を引き起こすリスクが高まるとされています。
膀胱内に尿が長時間留まることで、細菌が繁殖しやすくなり、膀胱の内壁に炎症を起こすことがあるためです。
頻繁に排尿を試みるものの、以下のような症状が見られたら、膀胱炎を疑うべきです。
・わずかしか尿が出ない
・尿に血が混じる
・排尿時に痛がる
早めの治療が大切ですので、これらの兆候を見逃さないようにしましょう。
尿路結石
尿路結石は、尿中のミネラルが結晶化して形成されるもので、トイレを我慢することが原因の一つとされています。
尿が膀胱内に長時間留まることで、結晶が形成されやすくなるのです。
以下に該当する症状がある場合は、速やかに獣医師の診察を受けましょう。
・犬が排尿時に苦しそうにしている
・尿が出にくい
・または全く出ない
結石が尿路を塞ぐと、排尿困難や尿閉を引き起こし、最悪の場合は命に関わる状況にも至ります。
腎臓病
長時間トイレを我慢する習慣があると、腎臓病のリスクも高まると言われています。
腎臓は体内の老廃物を濾過し、尿として排出する重要な役割を担っていますが、尿を長時間膀胱に溜めることで、腎臓に過度な負担がかかり、その機能が低下することがあるのです。
腎臓病を発症している場合、以下のような症状が現れます。
・水を多く飲む
・尿の量が増える
・食欲不振
腎臓病が進行すると、治療が困難なケースに陥ることもあるため、早期に獣医師に相談することが大切です。
トイレの頻度はどれくらいが適正?
トイレの適正回数は、犬の年齢によって異なります。
子犬の場合、成犬に比べて膀胱が小さいため、おしっこをたくさん溜めておくことができません。
そのため、子犬は1日に7~10回のトイレが必要で、少量ずつ何回もおしっこをします。
一般的には、「月齢+1時間」が我慢できる時間の目安です。
例えば、2ヶ月齢の子犬であれば、3時間おきにトイレに連れて行く必要があるわけです。
一方、成犬になると、膀胱が成長し、おしっこを溜めておける量も増えます。
成犬のトイレ回数は1日に3~5回程度で、子犬期よりも減少することが一般的です。
ただし、これはあくまで目安で、不妊手術の有無や個体差によって変わることがあります。また、散歩中にマーキングのために何度もおしっこをする犬もいるため、一概には言えません。
そして、シニア犬になると、膀胱の機能や排泄に関わる筋力の低下により、成犬の頃よりもトイレの回数が増えることが多いです。
シニア犬のトイレ頻度は1日5~6回が目安ですが、年齢を重ねると頻尿になりやすく、トイレに間に合わないこともあるため、注意が必要です。
愛犬のトイレの頻度には、年齢や体調、生活環境などさまざまな要因が影響します。
そのため、外でしかトイレをしない場合、愛犬の適切なトイレ回数に合わせて散歩に連れ出すなどの工夫が必要でしょう。
外でしかトイレをしない愛犬の散歩回数の目安は?
愛犬が外でしかトイレをしない場合、散歩の回数はどのくらいが適切なのでしょうか。
成犬の場合、おしっこの平均回数は1日に3〜5回とされており、最長で12時間の間隔を空けられるとされています。
しかし、愛犬の健康を考えると、最低でも1日に2〜3回の散歩を心がけるのが理想的です。
忙しい日々の中でも、1日2回の散歩は最低限確保し、できれば1日3〜4回連れ出してあげると良いでしょう。
個体差はありますが、愛犬の体調やストレスの軽減にもつながりますので、散歩の回数には気を配りましょう。
室内でトイレをしてもらう方法
愛犬の健康管理のため、できればトイレは室内でしてもらいたいと考える飼い主さんも多いかもしれません。
ここからは、外でしかしてくれない場合でも、室内でトイレをしてもらえるようにする方法をご紹介します。
室内トイレの環境を整える
愛犬が室内でトイレをしない理由として、トイレの環境が不適切であることが考えられます。
トイレエリアは常に清潔に保ち、プライバシーを確保することが重要です。
愛犬がトイレを気に入らないという理由で室内でしない場合、トイレの形状や場所に問題があるかもしれません。
安心して用を足せるよう、トイレの位置を静かで人目につきにくい場所に設定しましょう。
また、トイレ誘導スプレーを使用することで、愛犬に特定の場所での排泄を促すことも期待できます。
特におすすめなのは、「トイレの学習スプレー」です。
トイレシーツにスプレーするだけで、そこがトイレの場所と認識させる2つの成分が配合されています。
こうしたアイテムを取り入れることで、愛犬がトイレをするべき場所を覚えてくれるでしょう。
散歩時の習慣を見直す
愛犬が外でしかトイレをしない場合、散歩の習慣を見直すことも効果的です。
自由奔放な散歩をしている場合、愛犬は「外でしかトイレをしたくない」と思ってしまうかもしれません。
また、散歩の時間帯やルートを見直すことで、愛犬がトイレをするタイミングを把握しやすくなるかもしれません。
散歩中にトイレをさせる回数を徐々に減らすことで、室内でのトイレ使用を促しやすくなります。
散歩を短くしたり、トイレをするための特定の場所や時間を設けることで、愛犬のトイレ習慣をコントロールしましょう。
寝床の環境を改善する
犬は本能的に「寝床では排泄をしない」という習性を持っています。
そのため、寝床とトイレを明確に区別し、寝床を快適で清潔な状態に保つことがポイントです。
寝床の環境を改善することで、愛犬が室内のトイレを利用するようになる可能性が高まります。
寝床には柔らかい毛布やクッションを用意し、愛犬がリラックスできる空間を作り出しましょう。
また、寝床の位置をトイレから少し離れた場所に設定することで、愛犬がトイレエリアを避けることなく、安心して休むことができます。
室内トイレの環境を屋外に近づける
ペットが外でのみトイレをする場合、室内のトイレ環境を屋外に近づけることで、室内でのトイレ使用を促すことができます。
たとえば、トイレエリアに人工芝を敷くことで、屋外の感覚を再現し、愛犬が室内でトイレをすることに抵抗を感じにくくなります。
散歩中に集めた枝や葉をトイレエリアに配置することも効果的でしょう。
また、屋外でトイレシーツを使用し、そのシーツを室内に持ち込むことも有効です。
馴染みのあるニオイが安心を安心させ、トイレを促します。
このように、トイレエリアの周囲に屋外の要素を取り入れることで、愛犬が室内でのトイレ使用に慣れやすくなります。
また、自宅のベランダをトイレスペースとすることも有効です。
ただし、マンションの規約を遵守しなければならなかったり、一軒家の場合でも近隣への配慮を行う必要があったりするため、注意が必要です。
下記の記事では、ベランダにトイレを設置する際の注意点や対策を紹介していますので、参考にしてください。
ベランダに愛犬のトイレはマナー違反?室外にトイレを設置する注意点や対策を解説!
愛犬に室内でトイレをしてもらうためにできる工夫がある
愛犬が外でしかトイレをしてくれない場合、散歩の回数が増えることや、健康面での不安があるだけでなく、ペットホテル利用時やシニア犬になったときのトラブルも気になるところです。
そのため、できれば室内のトイレを使って排泄してもらうことがおすすめです。
成犬の場合、一度習慣化してしまったトイレ環境を変えることは簡単なことではありませんが、飼い主さんの工夫次第でできることがあります。
また、管理規約で許可されている場合や一軒家の場合は、まずはベランダをトイレとして認識してもらうことも有効です。
愛犬と飼い主さんが快適に過ごせるよう、この記事が参考になれば幸いです。