猫は高いところが大好きで、キャットタワーは遊び場であり寝床となる大切な居場所です。しかし、置き場所を間違うと、せっかく用意しても使ってくれない可能性があるだけでなく、ケガや事故の原因にもなります。
この記事では、キャットタワーの置き場所について詳しく解説します。安全で快適な置き場所を知り、愛猫の生活の質を上げましょう。運動不足やストレスが解消されるとイタズラが減るので、飼い主さんも快適に暮らすことができます。
キャットタワーの種類と置き場所
キャットタワーは、「据え置きタイプ」と「突っ張りタイプ」の2種類に分けられます。それぞれにメリット・デメリットがあるため、猫の年齢・体格・性格に合わせて選ぶ必要があります。部屋の広さや生活パターンを考慮して、安全で使いやすい場所に置きましょう。
据え置きタイプの置き場所
据え置きタイプのキャットタワーは、運動量の少ない子猫やシニア猫におすすめです。低めのものが多いですが、落下してケガする可能性があるので、使用時には目を離さないようにしましょう。リビングなどの飼い主さんがよく過ごす場所に置くと安心です。据え置きタイプは床に置くだけなので、どこにでも設置することができます。1人で簡単に組み立てられるのもメリットです。ただし、軽いタイプはグラグラしやすく、重いタイプは移動しにくいというデメリットがあります。
突っ張りタイプの置き場所
突っ張りタイプのキャットタワーは、活発な成猫におすすめです。壁際に設置すると、部屋を広く使うことができます。天井と床でしっかり固定するため、体格が大きい猫がジャンプしてもグラつきません。突っ張りタイプは天井近くまでスペースを有効活用できるメリットがあります。しかし、1番上のステップから落下した場合にケガをしやすいのがデメリットです。定期的にネジの締まり具合を確認したり、滑り止めを敷いたりして安全に使用しましょう。
キャットタワーの置き場所おすすめ5選
猫は、縄張りや飼い主さんとの関係をとても大切にする動物です。キャットタワーから部屋や家族の様子を見渡せると、安心して暮らすことができます。
キャットタワーを置くのにおすすめな場所は主に5つです。猫の特性を理解して、快適な空間を作りましょう。
窓際
キャットタワーを窓際に置くと、猫は温かな日差しや季節ごとの風を感じることができます。また、窓からの景色は猫にとって刺激がいっぱいです。気分転換や暇つぶしに役立つので、ストレスの解消につながります。猫は、窓から通行人や車の動きを観察したり、外の音や匂いを感じたりできます。窓際にキャットタワーを置くと視覚・聴覚・嗅覚が活性化されるので、猫の心や頭の健康を保つのに役立つでしょう。
ただし、小鳥や虫に興味を持って外に出てしまう可能性には注意が必要です。網戸にストッパーをつけたり、柵をつけたりして脱走を防ぎましょう。
壁際
背が高く、ハンモックなどの付属品がついた大型のキャットタワーは空間をたくさん必要とします。部屋の中央に置くと飼い主さんの生活動線を妨げる可能性があるので、壁際に置くのがおすすめです。据え置きタイプのキャットタワーはどこにでも置けますが、壁際に置くと部屋がスッキリします。突っ張りタイプは壁際に置くことを想定されたものがほとんどで、付属品が壁に接触して安定感が増します。
賃貸の場合は、壁にキズをつけないように注意しましょう。キャットタワーのポールに麻ヒモを巻いて爪とぎ兼用にすると、壁を引っかく心配が減ります。
リビング
キャットタワーをリビングに置くと、猫は安心して暮らせます。そもそも猫は単独行動を好む動物ですが、実はけっこう寂しがり屋です。食事をしたりテレビを見たりする飼い主さんを高い位置から観察することで、心の健康を保つことができます。
また、猫は体調不良を隠すので、注意深く観察しないと変化に気づくことができません。リビングにキャットタワーがあれば、飼い主さんの目と手が届きやすいので、いつもと違う様子の時にはすぐに対処することができます。
ただし、リビングでの話し声やテレビの音量が大きすぎるとストレスを感じます。愛猫がリラックスして過ごせるように心がけましょう。
背の高い家具の近く
タンスなどの背の高い家具の近くに置くと、キャットタワーから移動できるので運動量が増えます。猫は狭い空間にも飛び乗るので、カーテンレールやテレビなどの乗ってほしくない場所への動線は作らないようにしましょう。
キャットタワーで寝そべる猫も多いですが、タンスは幅が広いので複数の猫が一緒に寝ることができます。タンスの上から床に飛び降りるのは危険なので、キャットタワーのステップを使って床に移動できるように配置しましょう。
背の高い家具やキャットタワーは、猫の抜け毛やホコリがたまりやすいです。アレルギーの原因となるので、こまめに掃除をしましょう。
フローリング
フローリングは平らなのでキャットタワーの設置に最適です。しかし、表面がツルツルの硬い材質の場合には、猫がケガをする心配もあります。カーペットやマットを敷くと滑り止めになり、落下の衝撃を和らげることが可能です。
フローリングには無垢・複合フローリング・クッションフロアなどがあり、特徴が異なります。猫の足腰への負担が小さく、キャットタワーから飛び降りた時の緩衝材となるのはクッションフロアです。
キャットタワーの置き場所NG5選
次に、キャットタワーを置くのをおすすめしない場所について解説します。猫にとって不快だったり危険だったりする場所を知り、安心して過ごせる居場所を用意してあげましょう。
突っ張りタイプのキャットタワーは簡単に移動できません。しっかりと場所の状態を見極めてから設置しましょう。
エアコンの下
キャットタワーをエアコンの下に設置するのは避けましょう。エアコンの冷風や温風が苦手な猫も多いです。風が直接当たると、冷えすぎたり乾燥したりして体調を崩す可能性があります。
キャットタワーからエアコンの上に飛び乗る猫もいます。エアコンの故障や事故の原因となるため、キャットタワーに限らずカーテンレールなどからもエアコンへ移動できないようにしましょう。
平らでない場所
キャットタワーは畳よりもフローリングに置くのがおすすめです。畳は、キャットタワーの重みで凹むことがあります。
キャットタワーは、凸凹した床や斜めの場所には設置しないようにしましょう。不安定な場所に置くと、猫がジャンプしたり飛び降りたりする時に倒れる心配があります。
床にカーペットやマットを敷くと、落下の衝撃が和らげられます。しかし、中途半端に一部だけ敷くと、キャットタワーがグラグラして危険です。キャットタワーの下全体に敷くか、キャットタワー以外の部分に敷きましょう。
また、突っ張りタイプのネジが緩むと、平らな場所に設置していても安心できません。定期的に点検をして安全に使用しましょう。
散らかった場所
キャットタワーは、床の上の物が多く、散らかった場所には設置しないのがおすすめです。ジャンプや着地の時に足を滑らせる可能性があるので、キャットタワーの周りはいつもきれいにしておきましょう。
キッチンや寝室
キャットタワーは、キッチンや寝室に置かないようにしましょう。キッチンには火や包丁などがあるため大変危険です。リビングからキッチンに侵入できるようなキャットタワーの配置もおすすめできません。
また、猫が寝ている飼い主さんに高所からダイブすると危険なので寝室もNGです。キャットタワーのハンモックやボックスで寝ていた猫が、深夜や早朝にバタバタと走り回る可能性があります。
キャットタワーを事故やケガが容易に予想される場所に置くのはやめましょう。いつでも飼い主さんの目と手が届く安全な場所に置くのが理想的です。
寒すぎたり暑すぎたりする場所
猫の適温は20〜28℃です。寒すぎたり暑すぎたりする場所にはキャットタワーを置かないようにしましょう。体調を崩したり、せっかく設置したキャットタワーを使ってくれなかったりします。
猫は快適な場所を探し出す天才です。常にドアを少し開けておいたり、キャットドアを設置したりすると良いでしょう。寒い日は日向へ、暑い日は日陰へと自由に移動できると猫の健康が保たれます。
特に夏はエアコンが欠かせません。熱中症を防ぐため、猫だけ留守番させる時にもエアコンはつけっぱなしにしましょう。キャットタワーは、人が快適に過ごせる部屋に置くのがおすすめです。
キャットタワーの置き場所に関する注意点
キャットタワーの置き場所を決める時の注意点を3つ紹介します。もっとも優先したいのは「安全性」です。愛猫はもちろん、飼い主さんもケガをしないように気をつけて設置しましょう。
キャットタワーには、さまざまなデザインや大きさのものがあります。部屋の広さや猫の頭数に合わせて、飼い主さんの生活を妨げず、愛猫が快適に過ごせる場所に置くことが重要です。
安全性
キャットタワーの置き場所を決める時には、「安全性」を最優先しましょう。床・天井・壁の状態や部屋の間取りを考慮して、危険がなく落ち着ける場所を選んでください。
キャットタワーのステップは、猫がダッシュできないような配置にすることが大切です。直線的に長く移動できるとスピードが出てしまうので、折り返しを設けたり、上下に移動させるようにしましょう。
また、多頭飼いの場合は逃げ道が必要です。行き止まりを作らず、回遊性を意識してキャットタワーを置くのがおすすめです。追いつめられた弱い猫が落下することを防げます。
広さ
キャットタワーの置き場所を決める時には、必要な「広さ」を確認しましょう。ステップ(台座)のサイズだけでなく、飛び出した付属品も含めた最大所要サイズを確認することが大切です。
据え置きタイプのキャットタワーを部屋の中央に置く場合には、掃除機をかける時などにぶつからないように気をつけてください。壁際に設置する方が、人は生活しやすいでしょう。突っ張りタイプは省スペースなので、ワンルームにもおすすめです。
高さ
キャットタワーの置き場所を決める時には、必要な「高さ」を確認しましょう。据え置きタイプは、1m以下のロータイプと2m程度のハイタイプに分かれます。低めのものは特にさまざまな場所に置きやすいです。
突っ張りタイプの場合は、床から天井までの高さを確認してから購入しましょう。商品説明をきちんと読んで、どの範囲の高さまで対応するかを知ることが大切です。適正な高さで緩みのないように突っ張らないと、猫が乗った時にグラグラして危険です。
キャットタワーの置き場所がない時の工夫
キャットタワーは高いところが好きな猫にとって、遊び場や寝床として大切な居場所となります。しかし、部屋の間取りや広さが理由で用意できない場合もあるでしょう。
そんな時は手持ちの家具を「椅子・本棚・タンス」のように階段状に並べると、キャットタワーの代わりになります。お金をかけず、高所に猫の居場所を作れます。幅が広い家具は、複数の猫が一緒に寝転ぶことも可能です。ただし、ホコリや抜け毛がたまりやすいので、こまめに掃除しましょう。
【まとめ】キャットタワーの置き場所は安全性を重視しよう!
猫の暮らしを豊かにするキャットタワーですが、置き場所を間違えるとケガや事故の原因となります。せっかく用意しても使ってくれないかもしれません。
キャットタワーは安全性を最優先し、日当たりや風通しの良い場所に設置しましょう。愛猫と飼い主さんがお互いの様子がよく見えるリビングに置くのがおすすめです。冷風や温風が苦手な猫も多いので、エアコンの下は避けてください。