買い物中、愛犬がカートに座っていられない。ドッグカフェに連れて行ってもじっとして居られず、吠えたりするのでゆっくりお茶ができない。
そんな悩みをもつ飼い主に、ぜひ試してほしいテクニックがある。
犬の行動の専門家でトレーナーでもあるアリシア・ブレイさんは、「ごほうび」を使って犬に学習をさせることが大切だと言う。
いきなりショップやカフェに連れていくのではなく、まずは自宅でのトレーニングからスタートする。
どんなに元気な犬でも、床に伏せてぼーっとしているときは必ずある。その瞬間を見逃さず、飼い主はおやつを与える。それを繰り返すうちに、犬は「何もしないで座っている」ことはごほうびに値する良い行動であると認識できるようになるのだ。
とくに飼い主が食事中や仕事に集中しているときに、足元で静かに座っていられたらおやつをあげて褒めてあげると効果的だ。
「じっと待てる能力は、犬がもともと持っているものではありません。だから飼い主が犬に示して習得させることが大切です。まずは自宅で、犬の気が散らない環境をつくって実践してみて」とアリシアさんはアドバイスする。
興奮したり、じっとしていられないという犬の自然な行動に対して怒ったり罰を与えるのではなく、犬とコミュニケーションを通して犬がしたいことと人間が犬にしてほしいことのすり合わせができれば、しつけはもっとポジティブなものになると、アリシアさんは考えている。
このしつけメソッドはSNSで話題となり、多くの人が成功体験をシェアしている。
しかしなかにはうまくいかなかったケースもあるようで、ある飼い主は「犬を連れてカフェに行くのをやめました。私が犬におやつを与え続けないと吠えるようになったんです」とコメント。それに対してアリシアさんは、「大切なのは、犬が何もしていないときに報酬を与えることです。おやつを目的にあなたをじっと見ているときはごほうびをあげないで」と助言している。
やはり大事なのはやり方にとらわれず、自分の犬と対話を重ねながら犬が学習できるまで試みることなのだろう。