もし自分の家に70匹の猫がいたらどんな状況か想像できるだろうか。リビング、キッチン、ベッドルーム、トイレ…。どこに行っても猫がいる。そんな猫まみれの状況で暮らしているイギリス人母娘の暮らしをのぞいてみた。
56歳のカレンさんと娘のローレンさんは大の猫好きで、70匹の猫のほとんどが保護猫である。もともと猫をたくさん飼っていたが、カレンさんが幼稚園教師を退職してからさらに増え収拾がつかなくなり、2人はまるで猫の保護施設に住んでいるようだ。
朝起きるとすぐに餌やりと、猫のトイレや家中の掃除を始めるが、すべての掃除が終わる頃には午後になってしまい、また汚れたトイレの掃除を繰り返すこともある。
経済的にも負担が大きく、1日あたり平均で2万5000円の出費に加え、治療費、ワクチン代、去勢手術代などもほとんど自己負担だ。
2人はすべての猫たちに名前をつけ、平等に愛情を注いでいる。前の飼い主から虐待やネグレクトを経験した猫は今も心に傷を負っているという。
コロナ渦で多くの人が猫を飼い始めたが、世話やしつけの大変さ、コストの高さなどを理由に手放している。カレンさん親子に猫の相談に来る人も、最終的に押し付けるようにして猫をカレンさん宅へ置いて行くそうだ。
カレンさん親子もさすがに70匹以上の猫を飼うことに限界を感じ、ソーシャルメディアを通して猫の里親を募集している。責任を持って飼ってくれる人のもとで暮らした方が猫も幸せになれるだろう。
いまは飼い猫が多過ぎて男性が近寄ろうとしないと笑うローレンさん。猫たちの里親が決まれば、きっと結婚に一歩近づけるかもしれない。