ミドリガメを飼っている人がSNSに投稿した動画が多くの人々の笑いを誘っている。
その人はカメの水槽のなかに吸盤でくっつけるタイプのブラシを取り付けた。するとカメはみずからブラシの下に潜り込み、気持ちよさそうに甲羅をブラシにこすり付けている。
軽快な動きで腰を左右にフリフリする姿は、私たちがイメージするのっそりとしたカメとは大違いだ。手が届かなくてずっと歯痒い思いをしていたのだろうか。ブラシのおかげで思う存分甲羅を掻くことができて有頂天の様子だ。
カメの甲羅の表面の甲板は人間にたとえると爪のようなもので、表面の甲板に感覚はない。しかしその下の甲羅は脊椎骨と肋骨の複合によってできており、神経や血管も走っているので甲板の下には感覚があるといわれている。
カメが甲羅を岩などに擦り付けることが度々あるが、これは甲羅の脱皮をするため、あるいは甲羅の内部細菌感染といった病気が原因として考えられる。
カメを飼っているのであれば、こうしたブラシを付けてカメの反応を見るのもいいが、飼い主がブラシで甲羅をゴシゴシするのは避けた方がいい。すべてのカメが動画のカメのように気持ちいいと感じるわけではなく、刺激によってかえって痛みや傷を与える危険性もある。
甲羅の表面に汚れやコケがついている場合は、やわらかいブラシやスポンジで優しくこするようにしてほしい。