
犬のシャンプー後は、正しい手順で被毛の根元までしっかり乾かすことが大切です。
生乾きのまま放置すると、ニオイや皮膚トラブル、毛玉の原因になりかねません。
「乾かすだけなのに時間がかかる」と悩む飼い主さんも多いのではないでしょうか。
本記事では、トリマー資格を持つ筆者が、正しい乾かし方の手順から早く乾かすコツ、嫌がる場合の対処法まで解説します。
犬のシャンプー後は自然乾燥NG!乾かしが必要な2つの理由

犬をシャンプーしたあとに濡れた被毛や皮膚を放置すると、ニオイや皮膚トラブル、毛玉などの原因となります。
ここでは、シャンプー後にしっかり乾かす必要がある2つの理由を見ていきましょう。
生乾きによる雑菌繁殖を防ぐ
生乾きの状態が続くと、被毛や皮膚に雑菌が繁殖し、さまざまなトラブルにつながります。
とくにアンダーコートを持つダブルコート犬種は、毛の内部に湿気がこもる構造をしており、生乾きになりやすい傾向があります。
生乾きによって引き起こされる主な問題は、以下のとおりです。
- ニオイが発生する
- かゆみやフケを伴う皮膚炎を招く
シャンプーで汚れを落としても、生乾きのままでは皮膚を清潔に保てません。
雑菌繁殖を防ぐためにも、被毛の根元まで確実に乾かすことが大切です。
被毛の毛玉やもつれを防ぐ
濡れた被毛は表面のキューティクルが開いた状態になり、摩擦によって絡まりやすくなります。
自然乾燥のまま放置してできた毛玉は、ブラッシングでほどくのが難しく、カットが必要になるケースも少なくありません。
ドライヤーで根元までしっかり乾かせば、絡まりを防ぎ、ツヤのある仕上がりになります。
美しい毛並みを保つためにも、乾かす工程はていねいに進めましょう。
【手順】犬のシャンプー後の正しい乾かし方

シャンプー後の乾かし方は、正しい手順で進めると表面だけでなく、根元まで確実に乾かせます。
ここでは、シャンプー後の乾かし方を4つのステップにわけて解説します。
ステップ①タオルで水分をしっかり拭き取る
ドライヤーの時間を短くするためにも、まずは全身の水分をタオルで念入りに拭き取りましょう。
ゴシゴシと強くこすると被毛が傷み、毛玉の原因になる場合があるため、タオルを毛の根元に押し当てて、水分を吸い取るイメージで拭きます。
とくに足先や顔まわりなど被毛の短い部位は、タオルドライを念入りに済ませると、ほかの部位を乾かす間に自然に乾きやすくなります。
ステップ②被毛をかき分けながら毛の根元から乾かす
ドライヤーで乾かすときは、被毛をかき分けて、毛の根元に風を当てることが不可欠です。
根元までしっかり乾かすためのポイントは、以下のとおりです。
- 指やブラシで被毛をかき分け、地肌が見える状態にする
- かき分けた部分に、根元から風を当てる
- 少しずつ位置をずらしながら、全身に風を行き渡らせる
なお、人間用のドライヤーは犬用よりも温度が高くなる場合があり、使用する際は火傷に注意が必要です。
愛犬の体から30センチ程度離し、一箇所に温風を当て続けないようにしましょう。
ステップ③わきの下や指の間など乾きにくい部位をチェックする
皮膚が重なる部位や毛の密集した部位は、水分がたまりがちで乾かし残しの多い部位です。
乾かし残しがあると、皮膚トラブルや特有のニオイの原因になりかねません。
部位ごとの乾かし方のポイントを見ていきましょう。
| 部位 | 乾かし方のポイント |
| わきの下・内股 | 手で皮膚を伸ばしながら風を当てる |
| 指の間・足の裏 | 指を開いて念入りに乾かす |
| 耳 | 耳の裏側や内側もしっかり乾かす |
愛犬の皮膚を健康に保つためにも、細部までていねいに乾かし切りましょう。
ステップ④ブラッシングで仕上げる
全体が乾いたら、スリッカーブラシやコームを使って毛並みを整えながら乾かし切ります。
ブラシを通すと毛の間に風が届き、根元の乾かし残しを防げます。
また、温風で完全に乾いたあとは、冷風を全身に当てましょう。
冷風に切り替えると皮膚温度が下がり、愛犬の体に熱がこもりにくくなります。
犬のシャンプー後の乾かしを手早く済ませる4つのポイント

シャンプー後の乾燥時間は、タオルやブラシの選び方、環境づくりなどの工夫で短縮できます。
ここでは、乾かし時間を短くする4つのポイントを紹介します。
吸水性の高いタオルで念入りに拭き取る
マイクロファイバータオルやセームタオルなどの吸水性の高いタオルを使うと、ドライヤーの時間を短くできます。
吸水性の高いタオルは、一般的なコットンタオルよりも水分をよく吸い、タオルドライを効率よく進められます。
ただし、1枚のタオルで拭き続けると、途中から水分を吸いにくくなり、効率が落ちやすくなるでしょう。
とくに被毛の量が多い犬やダブルコートの犬は、2〜3枚のタオルを用意しておくと安心です。
自宅でのシャンプーにおすすめのタオルを紹介します。

トリマー監修のマイクロファイバータオルです。愛犬を包み込むだけで、水分をすばやく吸収できるのが魅力。
表面のパイル部分は短くカットされており、肌触りもなめらかに仕上がっています。
スリッカーブラシで毛をかき分けながら乾かす
手だけで毛をかき分けるよりも、スリッカーブラシを使ったほうが、温風が毛の根元まで届きやすくなります。
とくに被毛が密集したダブルコートの犬種は、根元まで風が届きにくいため、ブラシの活用がおすすめです。
ブラシを選ぶ際は、皮膚を傷つけないように以下のポイントを確認しましょう。
- ピン先が柔らかい素材でできている
- 先端に丸みがあり、皮膚に触れても痛くない
皮膚を傷つけにくいスリッカーブラシを紹介します。

ピン先が丸く加工されたスリッカーブラシです。
なめらかなピン先は肌当たりが優しく、被毛の奥まで届きます。
ピン先の丸い加工により、皮膚を傷つけにくいのも特徴です。
乾かしながらのブラッシングにも使いやすい一本です。
ドライヤーをかける部屋の湿度を下げる
浴室など湿度の高い場所でドライヤーをかけると、空気中の水分が多く、乾燥に時間がかかります。
とくに梅雨時期や夏場は湿度が高くなりやすく、通常よりも乾燥に時間がかかる傾向があります。
乾燥の時間を短縮するには、部屋の湿度を下げることを意識してみてください。
たとえば、浴室ではなく、脱衣所やリビングなどの湿度の低い部屋でドライヤーをすると効率よく乾かせます。
さらに、エアコンの除湿機能や換気扇を併用して、部屋全体の湿度を低く保つと被毛の乾きも早くなりやすいでしょう。
ペット用ドライルームを活用する
ドライヤーで長時間乾かされるのが苦手な犬には、ボックス型のペット用ドライルームがおすすめです。
ドライルームは中に入れておくだけで、360度から適切な温度の風が当たり、安全に全身を乾かせます。
また、長時間ドライヤーを使い続ける必要がないため、飼い主さんの負担軽減にもつながります。
ドライルームを選ぶ際には、以下のポイントを確認しておきましょう。
- 温度調節機能がついており、犬種や被毛量に合わせて設定できる
- タイマー機能があり、乾かしすぎを防げる
- サイズが愛犬の体格に合っている
ドライルームの活用を検討している方には、「nello ペットドライルーム+Deo」がおすすめです。

「nello ペットドライルーム+Deo」は、獣医師と共同開発した商品です。
サイズや毛量に合わせて、温度や風量、時間をこまかく調整可能。
底面と側面から温風を送る独自構造で、毛の根元までしっかり乾燥します。
ドライだけでなく、エアシャワーや脱臭モード、ペットハウスなど、さまざまな用途で活用できるのも魅力です。
AMILIEスタッフも愛用中で、お風呂上がりの時短ドライはもちろん、散歩帰りの花粉・汚れ落としにも日常的に活用しています。
今では愛犬が自分から扉をカリカリして「入れて」と催促するほど!お気に入りの場所になっているそうです。
犬がドライヤーを嫌がる・暴れる場合の対処法

ドライヤーを嫌がったり暴れたりする犬には、無理に続けず段階を踏んだ対応が必要です。
ここでは、嫌がる犬への対処法を3つ紹介します。
弱い風から少しずつ慣らす
ドライヤーのモーター音や強い風に、恐怖を感じる犬は少なくありません。
慣らすためには、以下のポイントを意識してみてください。
- 最初は弱風モードや静音モードを使う
- 犬の視界に入らない背後やお尻付近から風を当てる
- タオルで耳付近を覆い、モーター音を和らげながらドライヤーをかける
愛犬のペースに合わせて、少しずつ慣らしていきましょう。
リラックスできる雰囲気を作る
飼い主さんが焦って無理やり押さえつけると、犬はさらにパニックになり、ドライヤー嫌いが悪化する恐れがあります。
そのため、愛犬が落ち着けるような雰囲気作りも欠かせません。
たとえば、ドライヤー使用中はおやつを与えたり、優しく声をかけたりしながら進めましょう。
ごほうびやポジティブな声掛けを続けると、ドライヤーは怖いものではないと徐々に認識していきます。
愛犬の様子を見ながら、焦らずに進めてみてください。
トリマーなどのプロを頼る
自宅でのドライがどうしても難しい場合は、無理せずプロの力を借りるのも選択肢のひとつです。
プロに任せるメリットは、以下のとおりです。
- 専用のブロアーを使うため、短時間で仕上げられる
- 扱いに慣れたスタッフが対応してくれる
- 苦手なドライヤーをプロに任せることで、愛犬との信頼関係を保てる
自宅でのケアにこだわりすぎず、必要に応じてトリミングサロンを頼ることも、愛犬のストレス軽減につながります。
正しい乾かし方で愛犬の美しい被毛を保とう

犬のシャンプー後は、タオルドライとドライヤーを組み合わせて、根元まで確実に乾かしましょう。
吸水性の高いタオルやスリッカーブラシを活用すれば、乾かす時間も短くできます。
ドライヤーを嫌がる場合は、弱い風から少しずつ慣らし、リラックスできる雰囲気づくりを心がけてください。
自宅で乾かすことが難しいときは、無理をせずトリマーなどのプロに任せるのもひとつの方法です。
正しい乾かし方を実践し、愛犬の被毛と皮膚を清潔に保ちましょう。


